家の中で大きな蜘蛛を見かけたとき、多くの人は恐怖から反射的に殺虫剤を手に取ったり、叩き潰そうとしたりしてしまいます。しかし、もしその蜘蛛がアシダカグモであれば、その手を止めてほしいと切に願います。なぜなら、アシダカグモを殺すことは、家の中のゴキブリ対策において最も強力な味方を自ら排除してしまうことに等しいからです。アシダカグモは人間にとって無害であるばかりか、最も忌み嫌われるゴキブリを主食とする益虫です。彼らが家の中に滞在しているということは、そこに従業員としての職務、つまりゴキブリの捕食という役割があることを意味しています。もし彼らを排除してしまえば、天敵がいなくなったゴキブリたちは自由に繁殖を繰り返し、結果としてより多くの殺虫剤や業者への依頼費用が必要になるでしょう。また、アシダカグモは非常にきれい好きな生き物で、自分の体を常にグルーミングして清潔に保っています。病原菌を媒介するゴキブリとは正反対の存在なのです。彼らとの共生を成功させるコツは、何よりも干渉しないことです。アシダカグモは人間と接触することを好まず、常に物陰や高い場所に身を潜めています。彼らが活発に動くのは人間が寝静まった夜間であり、昼間は静かに休息を取っています。そのため、こちらから攻撃を仕掛けない限り、彼らが人間に害をなすことはまずありません。どうしてもその姿を見るのが耐えられないという場合は、殺すのではなく、容器などで優しく捕まえて外に逃がしてあげてください。ただし、家の中にまだゴキブリがいる限り、彼らはまたどこからか戻ってくるか、あるいは別の個体が現れるかもしれません。根本的な解決策は、蜘蛛を追い出すことではなく、蜘蛛の餌となるゴキブリを家からいなくさせることです。ゴキブリが絶滅すれば、アシダカグモは「この家にはもう食べ物がない」と判断し、自発的に去っていきます。彼らが去ったときこそが、あなたの家が真に衛生的になった証拠なのです。それまでの間、静かな同居人として彼らを許容することは、化学薬品に頼りすぎない賢い住まい管理の形と言えるでしょう。見た目の不快感だけで判断せず、彼らが果たしている多大な貢献に目を向けることで、より豊かな自然との共生関係を築くことができるはずです。
ゴキブリを食べる蜘蛛を殺してはいけない理由と共生のすすめ