家の敷地内に蜂の巣を発見し、パニックになった時、多くの人が反射的に市役所に電話をかけ、「どうしたらいいですか!」と助けを求めます。もちろん、それは正しい行動の一つですが、よりスムーズに、そして的確なアドバイスを得るためには、電話をかける前に、あなた自身で確認しておくべき、いくつかの重要な情報があります。これらの情報を整理しておくことで、市役所の担当者も、状況を正確に把握し、あなたに最適な対処法を提示しやすくなるのです。まず、第一に確認すべきは、「蜂の種類」です。これは、今後の危険度と、対処法を決定する上で、最も重要な情報です。巣の形や、蜂の見た目、飛び方などを、安全な場所から、双眼鏡やスマートフォンのズーム機能などを使って観察してみてください。巣が、お椀を逆さにしたような「シャワーヘッド型」で、蜂が足をだらりと垂らして飛んでいれば「アシナガバチ」。巣が、マーブル模様の「ボール型」で、蜂が直線的に素早く飛んでいれば「スズメバチ」。この二つの違いだけでも、担当者に伝えられれば、話は格段に早くなります。次に、「巣の場所」と「大きさ」です。「二階の軒下の、地面から5メートルほどの高さに」「庭の木の、手の届くくらいの高さに」といった具体的な場所と、「ソフトボールくらいの大きさ」「バスケットボールくらいの大きさ」といった、誰にでも分かる大きさの目安を伝えましょう。そして、「現在の状況」も重要です。「巣の周りを、常に10匹以上の蜂が飛び回っている」「子供が遊ぶ砂場のすぐ近くにある」など、緊急性や危険性の度合いを伝えることで、担当者も事態の深刻さを理解しやすくなります。これらの「蜂の種類」「巣の場所と大きさ」「現在の状況」という三つの情報を、メモにまとめてから市役所に電話をかける。そうすれば、「えーと、蜂は黒っぽくて…」「場所は、あの、家の角の…」といった、曖-昧なやり取りで時間を浪費することなく、的確で、建設的なアドバイスを引き出すことができるはずです。冷静な情報収集こそが、パニックを乗り越え、問題解決への最短ルートを切り開くのです。
市役所に相談する前に、自分でやるべきこと