「蜂の巣駆除は、専門業者に頼むのが最も安全で確実。しかし、その費用がネックとなって、一歩が踏み出せない」。そんな経済的な悩みを抱える住民のために、一部の自治体では、専門業者に支払った駆除費用の一部を補助してくれる、「補助金」や「助成金」の制度を設けています。この制度を賢く利用すれば、プロによる安全で確実な駆除を、通常よりも少ない自己負担で受けることが可能になります。補助金の具体的な内容や、給付される金額は、自治体によって大きく異なります。例えば、「駆除にかかった費用の2分の1(上限1万円まで)を補助する」といった形や、「蜂の種類に関わらず、一律5,000円を給付する」といった定額の補助など、その形式は様々です。また、補助の対象となる蜂の種類も、自治体によって異なります。攻撃性が高く、危険な「スズメバチ」の巣の駆除に限定している自治体が多いですが、中にはアシナガバチの巣も対象としているところもあります。この制度を利用するための、一般的な手続きの流れは、以下のようになります。まず、業者に駆除を依頼する「前」に、市役所の担当部署に連絡し、補助金制度の対象となるか、どのような書類が必要かなどを、必ず確認します。次に、自治体が指定する、あるいは地域の信頼できる専門業者に、駆除を依頼します。駆除が完了したら、業者から「領収書」と「駆除作業の内容が分かる写真(駆除前と駆除後)」を必ずもらいます。そして、市役所の窓口で、申請書に、この領収書や写真を添付して提出します。審査の後、問題がなければ、後日、指定した口座に補助金が振り込まれる、という流れです。ただし、この補助金制度は、全ての自治体で実施されているわけではありません。また、年度ごとに予算が定められており、申請が多数あった場合には、年度の途中で受付が終了してしまうこともあります。蜂の巣を見つけたら、まずは焦らずに、お住まいの自治体のウェブサイトで、こうした支援制度がないかを調べてみること。その一手間が、数千円から一万円以上の、思わぬ助け舟となるかもしれません。