それは、去年の夏のことでした。我が家の二階のベランダの軒下に、いつの間にか、ソフトボール大のアシナガバチの巣ができているのを、妻が発見しました。場所が高所で、働き蜂の数も明らかに多かったため、自力での駆除は早々に諦め、専門の駆除業者に見積もりを依頼することにしました。数社に連絡したところ、駆除費用は、どこも2万円前後。決して安い金額ではなく、私たちは少し頭を抱えてしまいました。その時、ふと、以前に友人から聞いた、「市役所が、蜂の駆除費用を一部補助してくれるらしい」という話を思い出したのです。半信半疑のまま、私は市のウェブサイトを検索し、そして、市の環境課のページで、「蜂の巣駆除費補助金」という制度が、確かに存在することを発見しました。そこには、「駆除費用の2分の1、上限1万円までを補助する」と、明確に書かれていました。私はすぐに環境課に電話をかけ、制度の詳細と、申請の手順について確認しました。必要なものは、①申請書、②駆除費用の領収書、そして③駆除前と駆除後の状況が分かる写真、とのこと。電話口の担当者の方は非常に丁寧で、地域の信頼できる駆除業者団体の連絡先まで教えてくれました。私は、その業者に正式に駆除を依頼。作業員の方は、手際よく、あっという間に巣を駆除してくれました。そして、私は忘れずに、領収書と、スマホで撮影しておいた駆除前後の写真を用意しました。後日、これらの書類を市役所の窓口に提出すると、数週間後、私の口座に、1万円が振り込まれていたのです。最終的に、私たちの自己負担額は、当初の見積もりの半額程度で済みました。あの時、諦めずに市役所のウェブサイトを調べ、一本の電話をかけた、ほんの少しの手間。それが、私たちの家計を大きく助けてくれました。全ての自治体に、同じ制度があるとは限りません。しかし、蜂の巣で困った時には、まず、自分たちが暮らす街のサポート制度を調べてみる。その一手間を惜しまないことが、思わぬ助け舟となるかもしれないのです。
私が市役所に相談して、蜂駆除の補助金をもらった話